自宅でできる嚥下トレーニング方法について

嚥下(えんげ)とは?

嚥下(えんげ)とは、食べ物を口の中で噛み、飲み込みやすい大きさに変えて口から喉、食道、
胃へ飲み送り込むことを言います。

加齢により様々な身体機能の低下をきたしますが、飲み込み(嚥下)に関する機能も低下することがあります。嚥下の力が低下すると、食べ物がのどに引っかかる感じがしたり、食事中にむせたりすることがあります。

そこで今回は、自宅で簡単にできる嚥下に関する筋力トレーニングを紹介します。

嚥下トレーニング①頭部挙上訓練

頭を上げることで、嚥下に関わる首の筋肉を強化するトレーニングです。
この訓練は、リハビリでもよく使用される高い効果が示されている訓練です。

頭部挙上訓練良い例

<方法>
反復法と持続法の2通りあります。

持続法

①仰向けに寝た状態でつま先を見るように頭を挙上させる。
(この時、頭と共に肩が上がらないよう意識する)
②頭を挙上した状態を1分程度保持する。
③ゆっくりと頭を降ろして1分程度休憩する。
① ~③を3回繰り返す。

反復法

①仰向けに寝た状態でつま先を見るように頭のみを挙上させる。
② すぐに頭を降ろし、頭のみを上げ下げする運動を30回繰り返す。

頭部挙上訓練悪い例

本来は1日3セットが目安ですが、実際に行ってみると首や腹筋への負担が大きく難しい場合が
多いです。そのため、反復する回数やセット数を減らし、首を痛めない程度に調整して行って
ください。頭部挙上訓練が難しい場合は、より簡便な方法である嚥下おでこ体操を推奨します。

嚥下トレーニング②嚥下おでこ体操

おでこ体操
<方法>
持続法

① 額に手を当てながら抵抗を加え、おへそを覗き込むように強く下を向くようにする。
② ゆっくり5つ数えながら、持続して行う

反復法

① 額に手を当てて抵抗を加え、おへそを覗き込むように強く下を向くようにする。
② ゆっくり数を数えながらそれに合わせて下を向くように力を入れる

嚥下トレーニングに関して

頭部挙上訓練や嚥下おでこ体操はどちらも自宅で行えるトレーニングです。1日短時間でも
嚥下トレーニングを習慣づけることで誤嚥の予防になるため、ぜひ行ってみてください。
※頸椎症や高血圧症である場合は、かかりつけ医に相談してから行ってください。