摂食嚥下スクリーニング検査実技

看護師、リハビリテーション科セラピスト、管理栄養士合同で摂食嚥下スクリーニング検査の実技研修を行いました。

嚥下スクリーニング検査は簡便に実施できますが、評価姿勢や教示を誤ると適切な評価とならないことが有り、正しい実施方法を習得することが大切です。

当院の摂食機能療法評価では、摂食機能療法対象者に対して、月1回嚥下機能のスクリーニング検査として、反復唾液嚥下テスト、改定水飲みテスト、フードテストを実施しています。

下記に検査評価方法について記載していますので興味がある方は見て下さい。

今年度は、言語聴覚士以外のスタッフで嚥下評価が実施できる機会が増えてきました。

当院では嚥下スクリーニング検査の実施について、言語聴覚士が介入していない対象者に対しても適切な嚥下評価が実施できる体制ができることを目標に取り組みを実施しています。

<反復唾液嚥下テスト>

(RSST: repetitive saliva swallowing test)

人指し指と中指で甲状軟骨を触知し、30秒間に何回嚥下できるかを評価する。

喉頭隆起が完全に中指を乗り越えた場合に1回と数え、30秒間に3回未満の場合に問題ありとする。

<改訂水飲みテスト>

(MWST: modified water swallow test, 3mL 水飲みテスト)

3mLの冷水を嚥下させ、誤嚥の有無を判定するテスト。

口腔内に水を入れる際に、咽頭に直接流れこむのを防ぐため、舌背には注がずに必ず口腔底に水を入れてから嚥下させる。1点~5点の5段階で評価を行う。(3点以下を問題有りとする)

【評価基準】

1点:嚥下なし、むせるand/or 呼吸変化(呼吸切迫)を伴う
2点:嚥下あり、呼吸変化(呼吸切迫)を伴う(Silent Aspiration)
3点:嚥下あり、呼吸良好、むせるand/or 湿性嗄声を伴う
4点:嚥下あり、呼吸良好、むせ、湿性嗄声なし
5点:4点に加え、反復嚥下(空嚥下)が30秒以内に2回以上可能
判定不能:口から出す、無反応

 

<フードテスト>

(FT: Food test)

フードテストは茶さじ一杯(約4g)のプリンを食させて評価するスクリーニング法。

評価方法および評価基準はMWSTとほぼ同様だが、嚥下後に口腔内を観察してプリンが残留しているかどうかの確認を行う。(3点以下を問題有りとする)

【評価基準】

1点:嚥下なし、むせるand/or 呼吸変化(呼吸切迫)
2点:嚥下あり、呼吸変化(呼吸切迫)
3点:嚥下あり、呼吸良好、むせるand/or 湿性嗄声、口腔残留中等度
4点:嚥下あり、呼吸良好、むせ無し、湿性嗄声無し、
口腔残留ほぼ無し
5点:4点に加え、反復嚥下(空嚥下)が30秒以内に2回以上可能
判定不能:口から出す、無反応