クラウドサービスを医療介護で活用メリット

京都リハビリテーション病院では、サイボウズ社が提供しているPaaS(Platform as a Service)kintoneを活用しています

病院 kintoneで検索すると上位にでてくるほど、業界ではちょっと名の知れた病院となっております

今までイベントでお話しすることが多かったのですが、今回はどの様なメリットが患者さん利用者さんにあるのかも含めて書いてみました(要望が多かったので・・・)

kintone?エバンジェリスト?

そもそも、kintoneって何でしょう?

サイボウズ公式より
開発の知識がなくても自社の業務に合わせたシステムをかんたんに作成できる、サイボウズのクラウドサービスです。

ということで、開発 つまりプログラムの知識がなくても業務に沿ったアプリケーションを構築できるサービスです

知識がなくても作成できるとは言え、一定の知識は必要となります

当院では、地域医療連携室 兼経営企画室にkintoneの知識を有した職員がいます(書いている人間です💦)

サイボウズ社が個人を対象に公認している制度「kintoneエバンジェリスト」に任命されており、認定資格も取得しているので、全く知識がない人間がこの記事を書いている訳でないので安心して読み進めてください 笑

○kintoneエバンジェリスト
○kintone認定資格

当院の取り組みに関しては、色々なイベントや雑誌で取り上げられています。

○転院受け入れまでの日数が大幅短縮したワケは?(日系ヘルスケア)
○転院調整に要する 日数短縮を実現させた 管理ツール(医療事務)
○嫌いだった「kintone」が“自分だけのスキル”に
○アナログ大好きな医療・介護業界でkintone情報を発信し続ける

他にも色々と情報発信をしていますが、それに関しては検索していただけるとどこかで繋がると思いますので・・・

この様な背景があって、当院だけで約100個のkintoneアプリが稼働しています。京都清水メディケアシステム全体では250個(2020年8月時点)

どの様なメリットがあるのか?いくつか抜粋して書いてみます

当院活用のメリットは?

素早く問い合わせに対応できるシステム

例えば当院ホームページの問い合わせフォームを例に挙げてみます

以下のフォームが当院、当グループで利用している問い合わせフォームです

 

通常問い合わせをいただくと、

  1. 法人代表メールアドレスに問い合わせ内容が届く
  2. 法人代表メールアドレスを確認した際、担当施設にメールを転送
  3. 担当施設の職員がメール内容を確認し、内容に沿った担当者に連絡
  4. 担当者が返信内容を作成
  5. 担当施設の代表者がメールを送信

一旦代表メールアドレスに届く設定をしていると、中々回答できる担当者に伝わるまで時間がかかってしまいます

つまり、返信が遅くなるのでお待たせする

当院が利用している問い合わせフォームでは

  1. フォームに入力された内容がkintoneに届く
  2. 複数の担当者が同時に確認し、返信可能職員が返信する

と、同時に複数名が内容を確認できるので、早い返信を可能としています(土日祝など休日は返信が遅いケースも存在しますのでご理解ください)

お気軽にお問い合わせください!!

必要な情報を現場から発信

パンフレットや料金表などもkintoneを経由して一般公開しています

一般的な公開と、当院が活用しているkintone経由の公開にはどの様な違いがあると思いますか?

 

可能な限り最新の資料を公開する為に、公開するまでの工程を短くすることが可能となりました

さらに、公開された情報の修正の工程も短くなっています

具体的には、公開したい情報をkintoneに登録するだけです

色々なページで資料を公開すると、そのページ毎に修正が必要なりますし、どこに公開したのか把握する必要が出てきます

当院の公開方法では、kintone内のデータを更新するだけで公開されている資料も自動で更新されます

セキュリティの高さ

クラウド上に情報が蓄積されている不安である

クラウドサービスを利用していると、そういったご意見をいただくことも少なくありません

医療情報の取り扱いには、定められたガイドラインに沿った運用が求められます

サイボウズ製品はどの程度ガイドラインに沿ったシステムなのか、第三者評価を受けていますので詳細は下記リンクの情報をご確認ください

医療機関向けクラウドサービス対応セキュリティリファレンス(株式会社三菱総合研究所)

具体的に当院の運用ルールの一部を抜粋して紹介します

  • 院外からシステムにアクセスはできません
  • 院内でもIDパスワードが必要となります
  • IDパスワードを知っていても全ての情報を閲覧できない
  • 原則情報のダウンロード不可
  • 法人内認定試験に合格しないとシステムの権限が付与されない

などなどガイドライン以上のルールで運用しています

大切な情報ですので、しっかりとした運用下での活用が必要です

職員に対してのメリットは?

そもそもkintoneは医療介護に特化した製品ではない

1万社以上に導入されている、業務改善ツールですので

  • 情報共有の強化
  • 集計作業の効率化
  • その他手軽に改善へ取り組み可能

京都清水メディケアシステム内には、複数名法人内認定資格者が誕生していますので、それぞれの部署や施設で業務改善に向けたアプリの構築が可能となっています

システム担当不在の現場

「WordやExcelは使えるが、アプリの作成!?それは無理です」

IT得意と言ってもアプリを作成できる人が医療介護の現場で勤務していることは稀でしょう

私自身も好きではありますが、今もプログラムに関してはさっぱりです

日本中の医療介護現場は同じ様な状態だと思います

1からプログラムを勉強しなくても、SaaS(Software as a Service)PaaS(Platform as a Service)といったサービスの活用で十分改善できる部分があると思います

全てのシステムを現場職員が網羅する必要はないと考えますが、現場でも対応できる範囲を広げる努力は必要

現場が早期に対応できることは、提供するサービスの向上に繋がるはずですから・・・

現場では常に改善したいという欲求で溢れている

苦労したいという人は限りなく0に近く、どうにか負担軽減をしていきたいと考えるものです

業務負担の増大は、ミスに繋がりミスは事故に繋がる危険性があります

業務負担を軽減したい!この業務をどうにかしたい!

しかしそんなスキルを身に着ける時間がないってのが普通です

ただ、普通ですで終わらせることができない状況になっています

少子高齢化や新型コロナウイルスの影響で業界として変わる必要性が増しています

注目されるkintone×医療介護

今まで記事として病院ホームページにkintoneの詳細を書くことはありませんでしたが、最近色々な方からお問い合わせをいただくことがあります(なのでこうして一度記事として公開することにしました)

様々なケースにkintoneが活用されています

○厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の情報収集ツールとしてkintoneを活用
○大阪府と連携し新型コロナウイルス対応状況管理システムを作成、全国自治体へのテンプレート提供を開始
○南丹市、児童虐待防止の地域連携にkintoneを導入
○サイボウズと大阪市生野区が 児童虐待防止に関する連携協定を締結

一般企業だけでなく、新型コロナウイルス対応や児童虐待防止など医療介護福祉の分野でも今後更なる活用事例が増えてくると予想されます

一部の病院とは既にkintoneで繋がりをもち、クラウド上での連携を強化しています

情報共有は院内法人内だけでなく、今後は地域全体で必要になってくると考えていますので今以上にレベルアップして、より良い医療介護サービスの提供に繋げればと思っております

ご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせフォームからご連絡ください