院内研修会「漢方の基本」

今回は当院内科医より「漢方の基本」というテーマで院内研修会が行われました。

研修を受けた職員メモを公開します。

研修内容としては

  1. 漢方の位置づけ
  2. 漢方薬と西洋薬の違い
  3. 漢方薬の原則
  4. 副作用
  5. 虚証と実証
  6. サルコペニアとは

漢方の位置づけではポリファーマシー患者(1人の患者が複数の薬剤を服用している状態)に対して、更に薬を処方する際は漢方が勧められる。リハビリ患者に対しては意欲を上げる目的として漢方が使用されることが多い。

漢方薬と西洋薬の違いについては、原料、作用点、効果、副作用、依存症、得意領域、費用などがある。

漢方の原料は天然生薬(自然界にある植物の花、葉、茎、つぼみ、根、鉱物など)を保存しやすい形に加工し複数組み合わせたもので、複数の症状に作用し、効果は弱いものから強いものまであるが、副作用や依存性が少ないことが特徴で、費用も安価傾向である。

漢方の原則では、漢方薬の飲み方、食前または食間にお湯で溶かして飲むことにより効果は高くなる傾向にある。西洋薬との併用もできるが、バランスが崩れるため使用する漢方薬は基本1種類。効果について構成生薬の数が多いと薬の効果発現が遅くなる可能性がある。

虚証と実証は漢方薬にとって大切なもので、漢方薬は自分に合った物でないと、十分に効果が出ない。そのためにその人の状態や体質を見極めることが必要となり。この際に使われるのが虚証と実証。

サルコペニアは筋肉量が減少し、身体機能低下をきたした状態。特に京都リハビリテーション病院では疾患に伴う筋肉量の減少が多い患者さん多い傾向にある。しっかりと筋肉をつけていくリハビリ訓練と、栄養療法、そして必要に応じて漢方処方を組み合わせることで患者さんのADL・QOLを上げていくようにチーム医療を行っていく。