四季報そよかぜ 2023年4月号

より充実したリハビリテーションの提供を目指して

 脳神経リハビリ北大路病院
リハビリテーション部 部長 川上健司

 2023年度が始まり、ご挨拶を申し上げます。
今年度から、地域の皆様のリハビリへのニーズに応えるべく病床再編を行い、当院は全床回復期リハビリテーション病棟としてスタートいたしました。これまで3階病棟は障がい者病棟として、主に神経難病の患者さんを多くお受けしておりましたが、同病棟を回復期リハビリ病棟へ再編したため、今後は近隣の病院や施設様にお願いさせていただくことになります。どうか、ご理解のほど何卒よろしくお願いいたします。
さて、全床回復期リハビリ病棟に変わったことにより、これまでよりも専門的でかつ患者さんに寄り添ったリハビリの提供ができるように努めてまいりたいと思います。今回の記事では、「北大路リハビリの特徴」をまとめましたので、どうぞご覧になってください。

〈北大路リハビリの特徴〉

  1. 脳血管疾患のリハビリに注力
     当院は、特に脳血管疾患患者さんのリハビリに力を注いでおります。CTやMRIなどの脳画像所見を用いて、患者さんの身体機能や日常生活活動動作の回復を予測し、理学・作業・言語療法の方法を検討しております。写真は、脳画像を用いた症例検討会を開催している様子です。多職種で一患者さんの状態を議論し、情報交換をしています。また、当院の岡田院長による「脳画像の見方」や「頭痛」などに関する勉強会を開き、新しい情報を入手しております。


  2. スタッフ拡充
     今年度は、多くのリハビリを提供するために増員を図り、理学・作業療法士、言語聴覚士合わせて総勢46名体制となりました。これまでよりも、一人の患者さんに対して提供できるリハビリ時間を長くできるようになりました。具体的には、1日に約3時間までのリハビリを土日祝日や正月含めて、毎日提供できる状態でございます。これにより、早期の自宅復帰を目指しやすい環境であると考えております。なお、当院では認定理学療法士や3学会合同呼吸療法認定士などの認定を受けたスタッフや仕事の傍ら大学院へ進学するスタッフも在籍しており、専門的なリハビリの提供を目指しております。
  3. 恵まれた療法士教育環境
     藤田医科大学保健衛生学部リハビリテーション学科の教員が来院され、「客観的臨床能力試験」という臨床で必要な検査や治療の標準化を図った研修を実施しております。患者さんへの面談や説明の仕方、介助の仕方などの基本を学びます。
  4. 豊富なリハビリ機器
    歩行練習などで使用する「下肢装具」や、状態に合わせて背もたれ角度などを調整できる「リクライニング車椅子」など、症状・回復時期に応じ効果的に用意されたリハビリ機器を揃えております。また、脳卒中後に手足に運動麻痺が出やすいですが、専用の治療機器を使用して電気を流しながら練習を進めることもできます。
  5. 心療内科医とカウンセラーのサポート
    当院には、心療内科医とカウンセラーが来院しております。主に外来診療を担っていただいておりますが、入院中の患者さんで心療内科の適応となれば、毎週一回開催しているメンタルサポートチーム(MST)で検討し、カウンセリングや検査を実施し、対応方法などの助言をいただきます。特に、認知症や高次脳機能障害などで不穏状態の患者さんに対して適切な薬物療法を処方することで、落ち着いていただけることが多いと思います。回復期リハ病棟には珍しい、当院の大きな特徴となっております。


  6. 同施設からの訪問リハビリの提供
    当院併設の訪問リハビリテーション事業所から、回復期病棟をご退院された患者さんのご自宅に訪問させていただき、現地でのリハビリを提供しております。在宅復帰した初期段階で動作の安全を確認するのみでも利用可能です。
    今後も、当院の特徴を活かしながら地域住民の皆様のお役に立てるように努めてまいります。引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

懇切な看護と介護に感謝

ストレッチの大切さに気づく、食事は未完食を反省
 ~25回の入退院を繰り返している患者 大喜多俊一~

平成28年夏から今年令和4年9月まで約5年間、私は貴院に入院することが許され、その間、院長先生はじめ看護師長やその他スタッフの方々に大変お世話になりました。

その内容は例えば、看護関係は小さいことでは足の小指の心配や転倒による肋骨損傷の心配、橈骨神経麻痺などによるレントゲン撮影など大きなこと細かい事まで心配、配慮してくださり感謝でいっぱいです。

また本院がメインにしておられるリハビリテーションについては、小さな運動から手足のストレッチなど運動の大切さを教えていただき、おかげさまで今日まで寄る年波の弱化による衰退があるにしても91歳まで無事に過ごすことができたことを喜びとしています。また、その他のスタッフの方々には例えば3食の食事の調達や万々のお世話、さらにケアワーカーの方にお茶のお世話やトイレの案内など事務方のお方にも感謝申し上げるところであります。
特にリハビリテーションのスタッフの方々には長年体調に合わせて訓練をしていただき、今日の体調が保てていることを喜んでおり、ことに長年の間、お付き合いをお願いした方々にはこの上なく感謝いたしております。
食事については元はお粥をお願いして完食を目指しましたが、だんだんパンが恋しくなってお粥を残すようになり反省しております。

昨今伝えられているところによると日本で1番長生きしている人は毎回のの食事を完食しておられるらしく、その方が明治40年生まれの115歳の方だそうです。そのことを思うと自分がまだまだそれに従うことができずに反省しています。

5年間24回というのは珍しい記録ではないかと思います。その間親しくしていただいた方もたくさん居られて貴院の機能の充実感を体得し、ありがたいことに今後ともよろしくお願いしたいと思っています。
いずれにしても長年のお世話に感謝いたしているところです。