9月のテーマ「褥瘡(じょくそう)を予防するためのポジショニング」
「床ずれ」とも呼ばれる褥瘡は、ご高齢の方に付きまとう生活上のリスクの1つです。
体力が低下し身体を思うように動かせなくなってくると、
どうしても長時間同じ姿勢で椅子に座っていたりベッドで寝ていたりしがち・・・。
そうしているうちに、身体(特に四肢)の同じ箇所に「圧」が集中します。
その部分を中心に血液の巡りが悪くなり組織が壊死した結果、
少しの移動に伴う摩擦やずれが生じるだけで皮膚が深く裂けてしまう・・・。
褥瘡は多くの医療・介護施設にとって悩みの種。
有効な予防法があるならばぜひとも身につけておきたいところ。
新型コロナウイルス感染予防対策を講じ、受講者全員マスク着用のうえで研修を開催いたしました。
研修の前半は座学、後半はポジショニングの体験実習
「(褥瘡の)傷は噓をつきません。傷の形を見れば、どの方向にどのくらいの力で摩擦が働いたのか分かります。それを基にして、今後の対策を生み出すことが重要です。」
講師の先生の力強いお言葉に、思わず息をのんでしまいます。
マットレスの上に寝転んでポジショニングの体験中。
機械を使って身体のどこに圧がかかっているのかを確認しつつ、
クッションを挟んで適正な体圧分散にチャレンジ。
「身体とマットの間に隙間ができていないかをくまなく確認し、
隙間をきっちり埋めるようにしっかりとクッションを挟んでいきます。
一見体圧分散できているように見えても、隙間ができているということは、
身体の別の部位(特に隙間の周辺)に圧が発生しているということ。
圧を回避しようと身体に力も入ってしまうので、決して楽な体勢ではありません。」
適切な素材、形状のクッションがたくさん必要になるんですね・・・!!
日々のケアをする中で、悩みはつきもの。
「体重が重い方の場合は?腰やかかとの褥瘡についてはどうすれば?」など、
質問は尽きません。
最後まで思いのほか盛り上がり、研修時間を過ぎても検討が続くほどでした。